重症心身障害児(者)とは
重度の肢体不自由と、重度の知的障がいを併せ持った状態をいいます。 その状態にある子どもを重症心身障害児といい、18歳以上の重症心身障害者を含めて重症心身障害児(者)と呼ぶことに定めています。その判定基準は、大島分類という方法によるものが一般的となっています。 重症心身障害児(者)は全国に約43,000人(入所約14,000人、在宅約29,000人)いると推計されています。
◆ 障害の原因
1 「出生前」の原因としては胎内感染、脳奇形、染色体異常
2 「出生時・新生児」の原因としては分娩異常、低酸素、極小未熟児、重症仮死産など
3 「周生期」の原因としては、脳炎などの中枢神経感染症、てんかんなどの症候性障害
4 「幼児期」の原因としては脳炎後遺症、溺水事故、窒息事故、交通事故など
重症心身障害児の発生数は、医学・医療の進歩充実により、減少するよりもむしろ増加しています。その理由として、超低出生体重児(1000グラム以下など)や重症仮死産などの救命が可能になったことが大きな要因と考えられています。
◆ 一般的な特徴
☆ 姿 勢
殆ど寝たままで自力では起き上がれない状態が多い。
☆ 移 動
自力では困難、多くが車椅子を使用している。
☆ 排 泄
全介助(知らせることができない(70%)。始末不可(76%)。
☆ 食 事
自力ではできない(スプーンで介助など)。誤嚥(食物が気管に入ってしまうこと)を起こしやすい。
☆ 変形・拘縮
手、足が変形または拘縮、側わんや胸部の変形を伴う人が多い。
☆ 筋緊張
極度に筋肉が緊張し、思うように手足を動かすことができない。
☆ コミュニケーション
言語による理解や意思伝達が困難。繰り返しの働きかけにより声や身振りで表現する。心地良い、嬉しいときは笑顔で応える。
☆ 健 康
肺炎気管支炎を起こしやすく、70%以上の人がてんかん発作を持つため、いつも健康が脅かされている。痰の吸引が必要な人が多い。
☆ 趣味遊び
肺炎・気管支炎を起こしやすく、70%以上の人がてんかん発作を持つため、きめこまやかな健康管理を必要とする。痰の吸引が必要な人が多い。
◆ 超重症児(者)
常に医学的管理下にいなければ、呼吸すること、栄養を摂ることが困難な障がい状態にある人をいいます。在宅でも生活する人が多くなっています。
☆ 呼吸管理
レスピレーター(人工呼吸器)装着、気管内挿管(気管に酸素を送る管を入れる)、気管切開(カニューレ設置)などの呼吸管理が必要です。
☆ 食事機能
中心静脈栄養(口から栄養摂取できない場合に静脈などから点滴投与する)、経管・経口全介助による栄養補給が必要です。
参考文献:社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会
「いのちゆたかに」(初めての重症児を持つ親へのガイドブック)より
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